自転車は、たくさんのパーツの組み合わせで作られています。
メーカーの完成車というものもありますが、これは言わば自転車のパッケージ販売
メーカーが選んだパーツを使用し、仮組み状態で工場から出荷されますが、これを最終的に組み上げるのはショップの仕事。
同じ完成車でも、ショップでの組み付け方次第で、走りの快適性や耐久性に大きな差が出てきます。

その完成車に対し、フレームやパーツをユーザーが選んで組み上げていくという方法もあります。
使用する全てのパーツを選んで、それぞれのライダー専用に組み上げていくのはとても楽しい作業。
その組み合わせは、ほぼ無限大。
自分のスタイルでライドするために必要なものだけを使い、不要なものは省いて、楽しみ方に合う1台を作り上げるお手伝いがwhooは大好きです。
新しい自転車を組み上げる際に、現在お乗りの自転車のパーツももちろん使用可能です。(他店で購入してのパーツのお持ち込みは、基本的にはお断りしていますが、お使いになりたいパーツが当店では入手できない場合など例外もございますので、詳しくは店頭にてご相談ください)

自転車を組み上げるのは、whooのもっとも大事な仕事のひとつ。
長く快適にお乗りいただけるよう、丁寧な組み付けを心がけています。

このページでは、フレームから自転車を組み上げる際の手順を簡単にご紹介していきます。

まずは届いたフレームをチェック後、下ごしらえからスタート。

必要に応じ、ボトムブラケットのタップを立て直し。
溶接の熱によって部材が歪んでいたり、塗料が乗って甘くなったスレッド(ネジ)を切り直します。


スレッドを切りなおしたら、次はフェイスカット。
ここでも、付着した塗料と歪んだ部材の凸凹をさらえて、ボトムブラケット部の端面をまっすぐ平面に整えます。


ボトムブラケットのタッピング、フェイシングが完了。
これでパーツがまっすぐにスルスルと組み付けできますね。
端面も平らに整えられ、パーツを締め付けた際に面で接触して均等にトルクがかかるので、ベアリングの回転もスムースで、使用中にも緩みにくくなります。


必要に応じ、ディスクブレーキキャリパーの台座もフェイスカット。
しっかりと面を出すことでキャリパーを正確な位置に正しい角度で取り付けできるようになります。



こんな感じの下ごしらえをした後に、慎重にポジションを確認しながらパーツの取り付け。
専用の工具、適材適所のケミカルを使用して組み付けていきます。

年々、複雑な規格の増えるスポーツバイク。
店の作業場の専用工具も増える一方。
メーカーの展示会やテクニカルセミナーに参加して勉強しないとついていけませんね。

パーツを取り付ける順番も重要。
フレームのタイプやケーブル、ホースの通し方などにより順番は変わってきます。
例えばインターナル(内装式)のDi2などの場合、先にボトムブラケットを取り付けてしまうと、エレクトリックワイヤーを通す段階で愕然とすることでしょうw
常に作業の順番を確認しながら進めることが必要です。

ロードバイクでもブリーディング作業をすることが多くなってきました。

ケーブル、ホースの長さにも気を使います。
適切な長さに揃えられたケーブル類は、見た目にも美しく機能的。

こうして組み上がった自転車のハンドルにバーテープを巻いて完成。
リボンを巻く作業はとても楽しく、ぼくは大好き。
きれいに巻き終わると、組み上げた達成感とともになんとも言えぬ幸せな気持ちになれるんです。