スカッと無理難題

まだ5月なのに暑い日が続きます。
まだ朝晩は涼しいのが救い。
この時期は例年、外国人の自転車ツアラーが多く訪れる京都。
whooにも毎日のように観光客がご来店。
そんな中で、昨日承った作業が印象的だったのでご紹介。

オーストラリア、メルボルンから自転車と一緒に来日中のNick。
中山道サイクリングを楽しみつつ到着した京都。
しかしこの道中で問題は起きていた!
なんと、リアのスルーアクスルが外れなくなってしまったとのこと。
見てみると、工具(六角レンチ)を差し込む穴がボケてまんまるに。
しかもアクスルの両端ともに!!
これじゃ、いくら外そうとしても外れません。
アクスルはしっかり締まった状態なので、走行するには何ら問題なし。
なのでここまで放置してきましたが、今は旅の終盤。
明日には自転車を輪行バッグに詰めて新幹線で東京へ。
そう、輪行バッグに入れるためには車輪を外す必要があるんです!
「なんとか今日中に!」
と懇願され、引き受けることに。
「多少の傷には目を瞑ってくれよな!」

まずは簡単な方法から試す。
アクスルをバイスグリップで掴んで回せないか?
ポンププライヤーは?
もちろん、そんな簡単に済むわけはありません。
このサイズの逆タップも持ってないし。。。(!!)
で、気づきました。
スルーアクスルは、挿入するのと逆の方向から見れば逆ネジになるんです。
そう、逆から正ネジのタップを突っ込めば、挿入側から逆タップを使うのと同じこと!

また、一般的なスルーアクスルは6mmの六角レンチを使用するのに対し、このバイクのアクスルは5mmレンチで締める(緩める)タイプ。
これもラッキー。
レンチを差し込む穴をドリルで広げてM6のタップを使えば!!!(M6タップは持っています)

「はい、ちょっと痛いですよー。我慢してくださいねー」
と、ドリルで穴を広げるのと同時に穴が浅かったので深くしてやります。
穴が深くてねじ山が多いほど、安心してトルクをかけられますからね。

M6のタップをかます。
流石にしっかり締まったスルーアクスル。
なかなか外れてこないなー。
ということで、タップで切ったネジ穴にM6ボルトを挿入。

しっかりタップでネジが切られているのでスルスルっと入っていくボルト。
奥まで届いて、ここからが本番。
ぐいっと力を込める。
ぴくりとも動かない。

いや、怖いわー。
お客さんの自転車壊したくないわー。
でもどうせ壊れてるんだよ!
と自分に言い聞かせ、勢いでGo!
レンチを折る勢いで全体重をかけたその瞬間。

「ぬるり」

回ったー!

もはや使い物にならないアクスルを無事に救出成功!
この瞬間の達成感がたまらんのです。
それまでの緊張感から解放されて放心状態。
まさに「緊張と緩和」
ふぅー。

WhatsAppでテキストを送ると大変喜んでくれたニックさん。
よかったね!これでオーストラリアに帰れるね!
無理難題をありがとう!

やっぱりお客さんの自転車を扱うというのは緊張するものです。
まして初めての作業です。
「理論上はこれでいけるはずだけど、本当にうまく行くのか?」
それが報われてとても嬉しくなり、ひさしぶりに筆を取ってみましたとさ。