古いスチールバイクのリニューアル

「このバイク、なんとかならないかなー。」
新しいバイクを購入し、めっきり登場機会の少なくなってしまったバイクをお持ちの方から多いご相談です。
特に、似たタイプでグレードの高いバイクを購入された場合、どうしても新しいバイクばかり乗ってしまうのも仕方のないこと。
埃をかぶったままで保管しとくのもアレやし。。。
今日は、そんなバイクをお持ちの方の参考になれば。という記事です。

さっそく見ていただきましたこのバイク、僕の新しい相棒です。
いや、新しくはない、でも新しい。
実はこれ、17年前にケルビムにオーダーで作ってもらったスポルティーフ。
当初はドロップハンドルで700x28cのタイヤにマッドガードを装着し、SHIMANOのロードコンポにカンチブレーキという、ごく普通のスポルティーフバイクでした。
そこから、カーボンフォークに変えてシクロクロスレースに出たり、フレアハンドル、フロントシングル、MTB用のリアディレイラーを取り付けてグラベル遊び用バイクになったり、いろいろとこねくり回されてきた過去を持つフレームです。

一緒に長い道のりを歩んできたこのバイクですが、同じケルビムのグラベルバイクを組んでからというもの、全く出番がなくなってしまっておりまして。
この機会に大幅リニューアルじゃい!
と、相成ったわけであります。

今回のカスタマイズは、上記した通り大規模なもの。
ケルビムさんの工房に里帰りして火を入れてもらいます。
そうなると、どのような使い方をするどのようなバイクにするか、という構想が肝心。
今回考えたことは、街乗り、通勤がメインで、時々のんびりと100kmくらいまでのライドも。
グラベルとかトレイルとかも入れちゃったら面白いんじゃね?
といった感じ。
その上で手持ちのバイクとは全く違う特性が欲しく、導き出したのは以下の通り。

  1. 今までは700x32cが限界だったけど、もっと太いタイヤを履きたい
  2. シングルスピードにしたい
  3. センタースタンドを取り付けたい
  4. ハブダイナモを使いたい
  5. フラット系のハンドルもええなあ

そしていろいろ省いていきなり完成!
どんなバイクになったのかな?
上の5つの野望は果たされたのでしょうか?

野望1. もっと太いタイヤを履きたい

ケルビムさんにカンチブレーキ台座の移動を依頼し、ホイール径を650bにインチダウン。
ホイール径が小さくなったことにより太いタイヤにも対応出来るようになりました。
このタイヤは650x38bですが、もうちょっとはいけそうですね。
ばんざーい!

野望2. シングルスピード化

お、できてますやん。シングル化。
こちらのカスタマイズについてはフレームは一切いじらず、パーツで対応しています。

WHITE INDUSTRIESのENO エキセントリックハブを採用。
取り付けボルトと回転軸の芯をずらすことによりチェーンテンションを調整できるというスグレモノ。
ロードフレームでもとても簡単にシングルスピード化でき、さらにフレーム側をいじらないのでマルチプルに戻すことも簡単です。

クランクは、昔使っていたカンパニョーロのロード用(ダブル)。
インナーリングをアウター位置に取り付けて組んでみたらあら不思議、チェーンラインもほぼバッチリでしたよ。(結果論)
見た目もばっちり、よく似合ってますねー(結果論)

野望3. センタースタンドを取り付けたい

上にも書いたとおり、今回リニューアルするバイクの主な用途は街乗り。
それならスタンドがあった方が絶対いいでしょ!
ていうか、実はスタンドのついたバイクを一台も持っておらず、憧れてたんですよねー。

チェーンステーの上下から挟み込んで取り付けるっていう手もあるけど、せっかくビルダーさんに弄ってもらうんだから台座を溶接してもらった方がいいでしょ。
走る時は左側にまとめて上がって、立てる時に左右に開くタイプ(なんていうの?)のスタンドを取り付け完了です。
これからは、憧れだったスマート駐輪ができるのか!と思うと嬉しくて嬉しくてw

野望4. ハブダイナモを使いたい

ライトも、街乗りや通勤に欠かせないアイテム。
充電の残量を気にせずに使えるハブダイナモはどうしても欲しかった!
さらに欲を言えば、ケーブルはスマートにまとめたいよね。

こちらもケルビムさんにお願いしました。
ハブダイナモケーブル内装用の穴。
フォーク右ブレードの上下に穴を開けてもらい、ハブダイナモケーブルを内装。
すっきりシンプル最高です。

野望5. フラット系ハンドル

これも手持ちバイクとの差別化アイテム。
ドロップハンドルは好きだけど今回はフラット系を使いたかった、ただそれだけ。

このバイクはフォークがスレッド式でクイルステムなので、ハンドルのクランプが25.4mmまたは26.0mm。
このサイズのハンドルバーってなかなか少ない。
その中で一番ピンッときた、SOMAのバーを採用。
握りやすくてかっこいい!
それが全て。

転がってるモノ

Takuyaの野望は5つとも叶ったようですね。
自分専用の自転車を作るためのカスタマイズは本当に楽しいもの。
手持ちバイクを再利用する際に、フレーム自体のカスタマイズをプロに依頼するというのもアリアリなんですよ。
また今回、使用するパーツも倉庫に「転がってるモノ」を多く使用しました。
ステム、サドル、シートポスト、クランク、ボトムブラケット、ペダル、vブレーキなど。
自転車に乗るのもいじるのも大好きっていう方も、いろいろ転がってるんちゃいますの?w

ステムは昔使ってたDEDA。
ピカールでピカピカに磨き上げて、フレームの到着をお待ちしておりました。

実は未完成

と、一応走れる形になった僕のニュー(オールド)ケルビムですが、実はまだ完成していません。
使いたかったいくつかのパーツが欠品中で入手できておらず、代用品を使っていたりするところもあったりします(互換性的に問題の箇所もありますが粗探ししないように!)し、シングルスピードのギアレシオとかもまだよくわかっていませんし、キャリアつけようかな?マッドガードもつけようかな?要らんかな?などなど。
要するに自転車のカスタマイズには完成というものは無い!という乱暴な結論。
しかししかし、いま僕はとても満足、とてもコーフンしています。
これは新車を買った時となんら変わりませんね。
あまり乗らなくなったバイクをこんな風に使うことは可能かなー?
というご相談もお待ちしてますね!

最後に、この再塗装されたカラーの僕の中でのイメージは
元は赤かったトラクターが長年使われず、農家の庭先に放置されて褪せた色。
というものです。
実物は、写真で見るより「枯れた」感じでとても気に入っています。
ケルビムさん、ペインターさん、ありがとうございました!