お父さんの自転車再生プロジェクト

いつもお世話になっている、とあるお客さまよりいただいたご相談。
「子供の頃に乗っていた自転車を復活させて娘に乗らせたいと思うのですが」

うん、なんだか楽しい仕事になりそう。
「ひとまず車体を見せてください」
と即答。
で、ご実家より店に直送してもらったのはこんな自転車。

Wow! ノスタルジック!
30年モノ?のBRIDGESTONEの子供用スポーツ車。
やっぱりかなり古い。
フレームは傷だらけ。
ホイールなし。
でもリアエンド幅は130mmだし復活は可能っぽいな。
どうやらホイールのサイズは24インチWO(erd 540mm)らしい。
パーツの状態や用途、ご予算を考えながら、残すパーツ、新調するパーツを相談していく。
規格を調べ、見積もりを作って相談を何度も繰り返す。
この工程が難しく、そしてとても楽しかったな。
一番時間がかかったのもこの工程。
erd 540mmのリムが見つからない。
そして、お手頃価格の150mm前後の長さのクランクが見つからない。。。


結局、ネットワークを駆使してリムの入手に成功。
しかしクランクは交換すると大幅コストアップになってしまうため、ひとまず既存のものをクリーニングして再利用することに。
となると、クランクと一体のこの大きなチェーンリング(46T)がネックに。
コンポーネントはロード用のSORAの11-34Tのスプロケを使うつもりだったものの、フロント46Tでは上り坂がきつすぎる!
ということでMTB用コンポーネント DEOREの11-42Tに変更。

決まったパーツを発注し、届いたらホイールを組んで(ハブはSORA)既存パーツをばらしていく。
この工程も時間がかかった!
サビ、固着との戦い。
いろんな工具を駆使し、ラスペネを大量に使い、時間をかけてバラす。

フレームすっぽんぽん

今回はフレームの傷やちょっとしたサビは見なかったふり。
洗浄、ワックスがけをしてパーツを組み付けていく。
ヘッドセットはお客さんのお手持ちの105(これも懐かしいw)を使い、サドルもお手持ちのFizikを再利用。
そして、、、

ジャーン!
完成。
良い感じじゃない?
24インチのホイールに42Tのスプロケットが斬新w

「組み上がりましたよ!」
の連絡に、早速ピックアップに来てくださった昨日(土曜)。
小学3年の娘さんも、お父さんのお下がり自転車にとても嬉しそう。
作業させてもらった僕もハッピーになりますね。
サドルは目一杯下げましたが、しっかり安全に乗れるポジション。
お父さんと二人連れ立って帰っていきました。
今日は日曜。さっそくサイクリングに出かけているようです。

とても楽しいお仕事、ありがとうございました。
もしかしたら新車を買ったほうが安くついたかもしれません。(いや多分そうでしょう)
それも理解した上でのお父さんの自転車再生プロジェクト、それを選んだお父さんも、それを喜ぶ娘さんも素敵ですね!