ひとりたび 2026 GW編

ゴールデンウィークが終わりました。
特にGW休業というのはなかった当店ですが、僕は通常の休業日の水曜木曜を利用して一人旅に出かけてきました。
昨秋の一人旅と同じように、火曜の営業終了後に電車輪行で移動し、翌朝そこをスタート地点とする「2泊2日」の日程。
さてどんな旅になったのでしょう?

注意 : 今回も前回同様、相当長い記事になっています。興味のある方だけ時間のある時に読んでくださいね!

Day 0 – 近鉄特急で

5月5日(火)の営業終了後に急いで京都駅へ。
連休中で旅人でごった返す八条口で自転車をパッキング。
近鉄特急に乗り込みます。

今回のスタート地点に選んだのは三重県名張市。
大和八木での一回の乗り換えを挟んで約1時間半の輪行旅です。

名張に着いて、駅前のホテルにチェックイン。
さっそく夜の街へ。

ひとりで旅の前夜祭。
明日からのサイクリング旅に思いを馳せ、串カツ、串焼き、ビールの晩餐。
こりゃうまいね!
明日の天気予報はかなり雨が濃厚。
うーむ、どうなることやら。

Day 1 – 名張スタートで

早朝4時に起きて準備しホテルをチェックアウト。
まだ薄暗い名張駅前で自転車を組み立て、5時ちょうどにサイクリングスタート。
雨はまだ降っていません。


今回のひとりたびでも昨秋と同様、距離をたくさん走るつもりはありません。
スピードを出してガンガン飛ばすつもりもありません。
走ったことのない道、行ったことのない場所でいろんなものを見ていろんな経験をしたい。
見たい景色、見たい旧跡などをたくさんピックアップしています。

まず向かったのは青蓮寺湖。
昭和45年に水資源開発と洪水の調節のために作られた青蓮寺ダムのダム湖です。
誰もいない静かな早朝の湖畔をゆっくりと走ります。
旅の始まり、気持ちが上がりまくりです。

まだ降り出しませんが、天気は相変わらず曇り。
ちなみに雨の装備は一切なし。
降ってきたら濡れるだけ!と割り切って荷物を調整しています。

長瀬という小さな集落で、しば犬の散歩の人と少しお話。
とてもキレイなところですねー。と僕。

「どちらから?」
と質問され京都と答えると、
「こんな何もないところに京都から!自転車で!」
と。
ちなみにこのようなやり取りが、この旅の中で何度も。

津市に入り、美杉町 太郎生(たろお)。
大きな道は避け、なるべく旧道を選んで走っていると、このような地元の方に守られた神社に出会えます。
これも僕の大好物。
ついつい立ち止まってしまいがち。

さらに進み、奈良県御杖村。
今回のルートでは奈良県をほんの一瞬だけ通ります。
それがこの御杖。
ここで今日のコースのメインとなる道に出会います。

伊勢本街道


この伊勢本街道の歴史は、なんと飛鳥時代まで遡ります。
奈良から伊勢神宮への最も歴史ある参宮道です。
歴史ある道だけあり、街道沿いには歴史ある建物や旧跡なども多く、今回はこの道を走ってみたいと思いコースを引きました。

走りたかった伊勢本街道をテンション高く進むと、すぐにまた三重県に。
県境にある「従井ノ尻谷中央以東三重縣 国界碑」という石碑。
ユーチューバーの西園寺氏が企画で放置されたところだそうです。
西園寺くんのYouTubeは好きでたまに観るのですが、その動画は未だ観ていないので、近々観てみる予定。

調べていた通り、歴史ある街道だけあって道標、石碑、常夜灯、お地蔵さんなど、興味深いスポットがいっぱい!
ほんと、その度に立ち止まってたら全然進めないほどw
進めなければ困るので、横目に眺めながら泣く泣くスルーした箇所も多数。
次はさらにゆとりある計画を立てて再訪してみたいですね。

今回見てみたかった、大きなお目当ての一つがこの名松線の伊勢奥津駅。
名張から松阪を結ぶ予定で着工されたものの、いろいろな事情で名張までは延伸されず、松阪とこの伊勢奥津を結んでいます。
名張-松阪間は電化された近鉄が通ったため、非電化のこの路線を名張まで通すメリットが少ないと判断されたようですね。
それも戦前の話。
駅前のぬしやというカッコいい建物とマイバイクの写真を撮っていると、雨がポツポツ。
ついに来やがったな。

駅前の屋根のある休憩所で少しだけ雨宿り。
同じように雨宿りしていた、犬の散歩の方とお話する。
大阪で働いていたものの8年前にこちらに移住してきたということ。
移住してきた当初は車で大阪まで通勤していたそうですが今はリタイヤ。
名松線は時々松阪に行く時に利用されているそうです。
上の写真は伊勢奥津駅に今も残る給水塔。
これは少し前まではコンクリートはひび割れ、金属は錆び、ツタが絡まって荒れた感じで、逆にいい味を出していたのだとか。
ただ全国的にも残っているものが少ないレアな給水塔を保存する上で、このままでは危ない、ということで最近キレイに修繕されたそうです。
見た目的には前の方が面白かったけど、頑張って保存してくれるんやから仕方ないね。
という話も、上記の犬の散歩のお父さんが教えてくれました。
さらに、

「雨具なかったら大変やろ」
と、常備しているというポンチョをプレゼントしてもらえました!
雨具は全くなかったので本当に助かりました。
ありがとうございます!

ワンちゃんむっちゃおとなしくて可愛かったー。

降ったり止んだり

小降りになったタイミングでお父さんとワンちゃんに別れを告げて再スタート。
雨はしばらくは小康状態。
相変わらず楽しすぎる伊勢本街道。

旧街道が残っているところはなるべくそちらを利用。
ガレた道やグラベルもちょこちょこ。
Panaracer AGILEST DURO TLR 700x30c を空気圧低めで運用した今回。
安心感、安定感はバッチリ。
パンクはゼロでしたよ。


時々雨が降りますが強まることはなく、さっきいただいたポンチョで十分しのげました。
それよりなにより、雨に濡れた新緑の旧街道、ほんとうに美しい。。。

デカくてびっくりw

仁柿峠を越えてくねくねの長い坂を下る。
深野という集落で沈下橋を渡る。

ここで、玉城町方面へ向かう伊勢本街道とは別れ、少し南の度会町を通るルートを選択。
伊勢本街道、本当に楽しかった!


雨は相変わらず降ったり止んだり。
でも雨宿りするほどではないのでぼちぼち進みます。
カエルの声や鳥の声がずーっと響いてて気持ちが良い。
で、お伊勢参りは今回はできませんが伊勢市を通過し、鳥羽に到着。

やっぱり海鮮!やっぱり船!

鳥羽ならやっぱコレでしょ!
ということでランチは美味しい海鮮丼。
満足して向かうのはフェリーターミナル。
やっぱりフェリー、乗りたいよね。

車輪止めを咬まされた可愛い相棒。
雨は止んだものの真っ青な海の眺望!とはいかず。。。

甲板からの眺めはこんな感じ。
あ、この航路って国道でもあるんですね。
国道42号の海上区間なんだって。
また259号の起点(終点?)でもあるそうです。

雨は完全に止みました。
フェリーで渡った先は愛知県田原市、渥美半島の伊良湖岬。
ここ田原市にも見たいものがいっぱいあります。

最初のきっかけは、Google Mapsの航空写真。
一面に広がる碁盤の目のような畑。
こんなに整然とした大きな畑地は見たことがない!この目で見てみたい!と。
もしよかったらGoogle Mapsで見てみてください。
転載していいものかわからないので。

お、菜の花畑?(実は違いました。答えは後ほど)

結果、そこにみたものは本当に広大な畑地とまっすぐな道。
写真では伝えきれないと思いますが、本当に広い!
旅の前に調べていたのですが、渥美半島には終戦まで旧日本陸軍の巨大な試験場があり、兵器の開発や大砲の性能試験などが行われていたそうです。
戦後にその広大な敷地を畑地として利用しているのだそう。
現在はキャベツが特に有名ですが、他にも野菜、果物、花など様々な農産物が生産されています。
僕のみた限り、やはり特に多かったのがキャベツ(あちこちで収穫作業をされてました)で、次に菜の花(実は違いました)。
他にメロン、イチゴ、ブルーベリー、とうもろこし、蘭、その他の花々などが栽培されていました。
逆に水田が少なく、ほとんど見かけなかったのが興味深かったですね。

楽しい宿

さて、今夜はここ田原市に泊まります。
僕が選んだ宿はこちら。

あつみの市 レイ という複合施設。
元はスーパーマーケットだったようですが、現在は地元の食材を中心に扱うスーパーの他に、今回僕の宿泊した「ゲストハウスあつみ編集舎」、そしてクラフトビールの醸造所も兼ねた「あつみブリューパブ」も併設しています。
とても小さな規模のこの宿は、ドミトリーや半個室、個室など、お手頃な価格で宿泊できるのも魅力。
連休最終日で明日からは日常に戻るというこのタイミング、もしかして貸切かな?とも思いましたが、ベルギーから3ヶ月の日本旅行中という旅人と2人でした。

自由に使えるキッチンもあり。

さて、シャワーを浴びてスッキリしたらこちらへ訪問。
このあつみブリューパブでライド後にビールを飲むのを楽しみにしていました。
Instagramもフォローしましたもん。

ビールの種類も多く、とてもおいしかった!
スタッフの方々もとてもフレンドリーなので、一人で行っても楽しめますよ!
ガラスで隔てられたブルワリーの作業を眺めながらビールを楽しむこともできます。

で、すぐ近所の中華屋さんで一人ディナー。
餃子にビールは最高ですね!
そして明日のために今夜も早めに就寝です。zzzz

Day 2 – 半島を満喫

今朝も早起き。
スタート時点で気温16度と、比較的暖かな朝。
暗いうちから出発。
うまくいけば日の出が見られるかな?
しかし、、、
海岸を目指し走りますが分厚い雲が、、、

スカッと日の出!
とはいきませんでしたが、ちょいそれっぽいものが見えたってことで気分よく今日もスタートです。
まずはここ。

右手に見えるのは、昭和5年に作られた気象棟 兼 展望塔。
地元では通称「六階建」と呼ばれているそうですが、こちらも戦争遺跡。
先に書いた大砲の性能訓練の際に大砲の弾道や風向き、風速などを観測していたそう。
左奥の蔦の絡まる二階建ては電線電信所で、周囲に点在する他の観測所などとの連絡を行っていたのだそうです。

いずれも現在は個人の所有となっており、勝手に入ったらダメです。
ちなみに実は前日のチェックイン前に、ゲストハウスのすぐ近くのこちらも見てきていました。

旧陸軍福江観測所

こちらも旧陸軍の観測施設。
大正期にできたもので、遠距離射撃の観測を主に行っていたそう。

僕は特に戦争に興味があるというわけでもないのですが、今回渥美半島を調べる中で「見てみたい」と興味が湧き、立ち寄ってみました。

渥美半島のウェストコースト?西ノ浜シーサイドロード。
頭の中ではビーチボーイズが響きます。
まだどんよりしてますがねw
そこからまた畑地に入ります。
てかここでは、海辺以外は畑地。
海辺か畑地か二つに一つ。みたいな。

しかしそれにしても気になるこの菜の花?のような黄色い花。
でも菜の花って普通はもっと寒い時期に咲くんじゃないんかな?
それにこんなにいっぱい作ってどうするんだろ?
頭の中で気になっていた時、ちょうど道端で農作業中のお母さんを発見。
すかさず質問です。

「おはようございます。すみません、この花って菜の花ですよね?」

「ええー?違いますよ!キャベツの花ですよー!」

「!!!」


お母さんの話によると、この黄色い花はキャベツの花。
普通はキャベツは花が咲く前に収穫する。
収穫せずに置いておくと黄色いこの花が咲くし、収穫した後も抜かずに残しておくと茎が伸びてこの花が咲く。
とのこと。
ではこの菜の花畑だと思っていたところは全てキャベツ畑??
そうなると、やっぱりこの地域の畑の大半はキャベツ畑ってことですね!
ちなみに田原市のキャベツ収穫量は常に全国トップクラスなんだそうです。
やっぱりねー。

そして追記として、キャベツはアブラナ科に属するそうです。
「菜の花」の定義として、「アブラナ科の黄色い花」という分け方もあるそうで、そういう意味では菜の花で間違いではないようですね。

このお母さんも「へー京都から自転車ではるばる」と、何度も何度も感心したように言っていました。
名張まで電車で云々は、言うとややこしいので黙っときましたがw

晴れてきた!海へ

午前8時。
だんだん雲が薄くなってきた。
次は半島の南東側(太平洋側)の海へ。
こちらにもサイクリングロードが有りますね。
気持ちいいぞー!


時々浜辺へ降りて散歩したり。
うーん、のんびりしすぎ?
気持ちいいんだもん。

あかばねの道の駅付近にはサーファーがたくさん。
流木に腰掛けて休憩しているときに海から上がってきたサーファーさんとちょいお話。
この辺りはとても人気のスポットで、いつもたくさんのサーファーで賑わっているのだそう。
そう言うこの方も、名古屋から来ているそうです。
そして例にって、僕が京都からというと「え!自転車で!」と驚いておられます。
ほんとは名張までは近鉄で…もちろん黙っておきます。

実はこの日の予定として、最終的には浜名湖から浜松へ行くと言う予定を立てていました。
しかしこの辺りで心が動き始めます。

「今日は一日、渥美半島を楽しみたいかも」

三河湾側も。。。

太平異様を眺めながら考えた。
半島の反対側(三河湾側)の海も見てみたいな。
思ったら即行動!
で半島横断を開始。
横断するにしても楽しげな道を探しながら行きたいね。
と、小さな集落や農道を通っていると、とても小さなかわいい神社を発見。

村社 白山社

横の石碑にはそう刻まれています。
そしてすぐ横で除草剤を散布する作業をしていたお父さんにお聞きした話が面白かった。
この神社はこの村(集落)で守っている神様。
集落は今は40軒ほどに増えたけど、ずーっと昔から守っているのは23軒。
本殿建て替えの時は23軒の寄付ではどうしても足りず、村民が親戚やらに協力をお願いして費用を確保したんだそうです。
本殿横には今も寄付された方の名前が刻まれていました。

「で、どちらから来られましたの?」
「京都です」
「へー、京都!自転車で!」
(いや、名張までは近鉄。。。)

お父さん、楽しいお話を聞かせていただきありがとうございました。

そんな寄り道をしながらついた、三河湾側の海岸。

おお!
これこそビーチボーイズでしょ。
空はすっかり晴れてカリフォルニアの風を感じます(行ったことないけど)
この写真を撮って、芝生の上に寝転んで、気がついたら30分の寝落ちw
だって気持ちよすぎたんだもん。

この時点でスケジュール変更を確定しました。
浜名湖は次の機会に。。。

快晴☆夏日

快晴きたる。
青い空に太陽がギラギラ。
朝から暖かかったんですが、気温はどんどん上がり、ジレを脱ぎ、ニーウォーマーを外し、アームウォーマーを外し、ついに真夏の服装に。
最高気温は25度まで上がり夏日だったようですね。

お腹減ったのでランチタイム。
おいしいポークソテー定食を食べて、さらにウロウロ。

初めての

実は未だ、サイクルトレインなるものを利用したことがない僕。
自転車をバラさずにそのまま一緒に電車に乗れるなんて楽しそう。
今回の旅ではこいつも初体験したいな!と考えていました。
豊橋鉄道 渥美線では、土日は終日、平日は時間限定で、自転車を電車に乗せられるサービスを実施しているんです。
豊橋までなら自走しても全然いけるんですが、どうせならトライしてみたい!
ということで、豊鉄の豊島駅へ。

行ってみると、この駅は無人駅。
なんとなく旅情感がアップする僕。
そして到着した新豊橋行きに、バイクと一緒に乗車。

車掌さんが来て、乗車券と積載券を購入。
ついにサイクルトレイン初体験に成功。
自転車と一緒に電車に乗る、新鮮な感動です。

たびのおわり

最後に豊橋の街をぶらり。
本来ならここから峠を越えて浜名湖〜浜松駅へと向かう予定でしたが、半島満喫ツアーに変更したため、旅はこの街で終了です。

迫力ある石垣が特徴の吉田城をチラッと見学。
徳川家康が三河を統一する上で重要な拠点となったお城なんだそう。
すぐ横の豊川では、シジミ捕り?をするおじさん。

さらにぶらついて、お土産に美味しいと有名などら焼きをゲット。
そして

豊橋駅から新幹線に乗車。
チケットは昼食時にAppで予約していました。
特大荷物席も予約できてむっちゃ便利ですね!
明るいうちに帰ってくることができました。

まとめ

大変長いブログ、最後までありがとうございました。
ここまで全部読まれた方はどれくらいいるのか不安ではありますが。
でも昨秋の一人旅のときの超絶長いブログも結構好評で「旅に行きたくなった」とか嬉しい反応ももらえたし、今回も楽しんでくれる方も少しはいるのかな?と期待しています。
コース作りや日程の調整など、全部自分の都合でできるのが一人旅のいいところ。
実は今回も、3月頃からタイミングを見計らっていたんです。
行けそうな時に忙しくなってしまったり、天気予報が悪かったり(結局今回も降られたんですけどね)で、最終的にGWの最終日からということになりました。

そして今回も本当に楽しかったです!
2日間の総走行距離は約200kmと、前回の秋の一人旅の時と同じくらい。
あちこち立ち寄っていろいろ見ながら楽しむなら、これくらいの距離がいい感じですね。僕の場合。
旅先で出会ってお話させてくれた皆さん、本当にありがとうございました!(多分読んでないと思いますが)
次はまた秋くらいに行きたいですね。
そのためにも頑張って働きますんで、みなさんお仕事くださいー!
最後に今回もコースデータを載せておきますね。